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2011年 01月 15日
目をつぶり、深い呼吸を繰り返す。
意識を自分の呼吸にだけ向けて行く。 外から内へ、内から外へ。 呼吸しながら、氣の巡りにも意識を向けていく。 静かに、しかし確実に。 最短の時間で瞑想状態に入る。 桂の状態を見ながら松木が誘導を行なう。 「後頭部で呼吸しているように意識して…7秒吸ったら一回息を止めて…7秒かけて吐き出します…」 松木の声は低く、囁くように聞こえる。誘導しながら電気やキャンドルを消して行ってるのだろう。 目を瞑っていてもわかった光がどんどん消えていく。真っ暗になっていく。 ■
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by yumiyumi0325
| 2011-01-15 14:10
| 宇宙叙事詩
2010年 10月 28日
狭い横道を入っていくと、生け垣に沿ってさらに細い道があった。
「ほんとにここ?」桂は不安になって聞いた。 「ここで合ってます、大丈夫ですよ」裕美は自信満々で答えた。 桂は黙って裕美の後をついていった。 細い道は民家を囲うようにぐるりとしており、桂と裕美は道に沿って歩いた。 民家をぐるりと回り込むと、その家の離れがあった。離れの入り口にドアはなく、土間があったので裕美はそこから中に声をかけた。 「こんにちは」 しかし誰も答えなかった。裕美はもう一度、少し大きめの声で「こんにちは」と声をかけた。 しばらくすると、奥のほうから 「どなたですか?」と声が聞こえた。 「2時に予約した高木と付き添いのものです」と裕美が答えた。 しばらくの沈黙の後、奥のほうから一人の男性が出てきた。 「ご予約の方ですね…どうもすみません、ちょっとチャットしていたものだから」 男性はそういうと、二人を「どうぞ」と、中へ招き入れた。 しんとした室内は空気もなんだかひんやりとして神聖な印象を受けた。 部屋の中には、ところどころろうそくがともり、それがなんだか暖かい印象を受ける。 男性は二人にソファを勧めると姿を消した。 白い猫が二人の足下にいつの間にか現れ、裕美が「かわいい!」と歓声をあげた。 「いやぁどうもすみません。チャットにはまると時間感覚がなくなってしまって」 男性はそういいながら室内に入ってきた。三人分のお茶を持っている。 「どうぞ、ハーブティーです」 「ありがとうございます」 桂はお茶を受け取ると、ゆっくりと口を付けた。 ルビー色のお茶はほんのりと甘酸っぱく、おいしかった。 「改めまして、「宙(かなた)のオーナーの、松木犀(さい)と言います」 「高木桂です、よろしくお願いします」 桂は差し出された名刺を受け取った。シンプルに、名前とサロン名、そして電話番号だけが書かれている。 「高木さんの付き添いの中川裕美です」と、裕美も名刺を松木に渡した。 「退行催眠をされているんですね、へぇ…サロンは銀座ですか。いいところですねぇ」 松木は裕美の名刺を見ながら言った。 「で、今日は付き添いなんですか?」 「はい。元々高木さんは私のクライアントさんなんですが…」 「ちょっと、色々事情がありまして…」桂が口を挟んだ。 「ま、宇宙系だったら僕に任せてください」 松木はにっこりと微笑んだ。 「世の中には色々な人がいます。目の前のことだけに夢中な方もいれば、地に足着かない人もたくさんいる」 松木は裕美の名刺をポケットにしまい、二人の正面にある1人がけソファに座りながら言った。 「自分が何ものであるのか、ということにまったく興味のない人もいるし、自分が何ものなのか、地球人で内ような気がする、という人も多い…」 松木は、茶目っ気のある笑いを目に浮かべながら桂を見た」 「宇宙ルーツ、ってのは確かにあるんですよ。僕はそういう方々のセッションをたくさんしてきましたし、実際宇宙人とも交流しています。ま、信じられないかもしれませんが…ね」 喋りながら、松木は様々なものをセットし始めた。 退行催眠で使うのだろうか? 裕美のサロンでは見た事がないものばかりで、裕美も物珍しそうにそれらのものを見ている。 「では、そろそろ始めましょうか」 松木が言った。 「え、もうですか?」裕美が言った。もう少し、クライアントとの距離を縮め、クライアントがリラックスできるようにしばしのおしゃべりなどをしてから催眠を施すのが彼女のやり方だったからだ。 松木の合理的なやり方は、裕美には少し受け入れがたいものがあった。 「始めますよ」松木は楽しそうに言った。 「だって、このかたはリラックスよりも何よりも、早く自分が何ものなのか、なんのためにここにいるのかを知りたがっているし、彼女のバックにいる宇宙人も早くそれを教えたがっているからね」 桂は心を読みすかされているような気がした。 確かに、リラックスとか心を開く、とかも大事なのだろうが、今日はそういうことに構わず、「ぶっとんだ」内容が出てくるかどうか…それに興味があったからだ。 「付き添い、ってことは中川さんはここにいていいのかな?高木さん」 松木が確認してきた。 「もちろんです、そのためについてきていただいたので」桂は裕美をちらりと見て言った。 自分だけではわからない不思議な世界を、裕美の知識でも解釈してほしいのだ。 「了解です。では、そろそろ始めましょう」松木は明かりを消し、キャンドルを一つ残して吹き消した。 桂は目を閉じ、裕美から教わった深い呼吸を取り始めた。 ■
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by yumiyumi0325
| 2010-10-28 00:48
| 宇宙叙事詩
2010年 08月 26日
「今年はなかなか寒くなりませんね〜」裕美が薄手のストールを首からはずしながら言った。
「夏が暑すぎたからかもね」桂は答えながら、自分もジャケットを脱いだ。 季節は11月初旬だというのに、薄手の長袖一枚で十分なほど日中は暖かだった。地球温暖化はこれほど進んでいるのか…と誰もが思うほどだった。しかしそれも、裕美に言わせれば「アセンションのために地球が次元上昇しているから」ということなのだが、根拠はない。 「秋はおしゃれができるから好きなんですけどね〜こう暖かいというか、暑いとおしゃれする気持ちにもなりませんよ〜」 そういいながらも、裕美は秋の装いをシックに決めている。淡いラベンダーと濃茶で全体のトーンをまとめ、ブーツも履いている。 「裕美さんはいつもおしゃれね」桂は裕美はセンスがいいなぁ、と思いながら言った。 「ありがとうございます!おしゃれは大好きなんです」裕美は弾んだ声で答えた。おしゃれ、と褒められたことが相当嬉しかったようだ。 暖かい日曜日の午後だった。裕美と桂が最初に出会ってから、もう5ヶ月になろうとしていた。 最初は退行催眠を受け、その後は今、アメリカにいる篠崎、そして裕美の先輩である催眠療法士の新庄と4人で会い、その後も、月に一度くらいは顔を合わせている。 今日は、桂のほうから裕美に声をかけた。地球上だけでなく、他の惑星、銀河での過去世を知りたいがいいヒーラーを知らないか、と聞いたのだ。 裕美は大喜びで知り合いの中から信頼のおける、桂と合いそうなヒーラーを探し出してくれた。 裕美は、桂に初めて会って以来、桂の助けになりたかったのだ。 いや、桂の助けになりたい、というよりも、桂の身に起きていることや、意識喪失中の出来事、桂が半無意識でしゃべる内容にとても興味を持っているのだ。 だが、彼女もヒーラーのはしくれ…クライアントに無理にセッションを進めるようなことはしない。クライアントである桂がその気になれば100%手を貸すが、それ以外のおせっかいはしないのだ。 最初は若さ故におせっかいしそうなこともあったが、それを一生懸命にとどめている様子に、桂の中で裕美に体する印象が変わってきたのだ。まるで、つかず離れずの妹のような存在になってきている。 実際の妹とは縁遠く、父の葬儀で会って以来連絡も取っていない。赤の他人なのに妹のように感じ、肉親である妹よりも頻繁に会うのをおかしなものだな、と思いつつも、桂には裕美の存在がありがたかった。 今日のヒーラーは宇宙系のワークとチャネリングが得意、と聞いていた。 住まいは鎌倉だという。夫の修二には、会社の後輩と鎌倉に遊びにいく、と嘘をついて出てきた。 「裕美さん、日曜日なのにつきあってくれてありがとう」 桂は線路沿いの細い道を歩きながら言った。 「構いませんよ、私、桂さんのセッションはすべておつきあいしたいくらいですから」 裕美は屈託なく答えた。最初の頃は「高木さん」と呼んでいたが、篠崎と同じくいつのまにか桂のことを名前で呼ぶようになっていた。その分親しみ度が高くなったのかもしれない。 「あ、ここで右に入ります」 裕美は手元の地図を見ながら言った。 「こんな細い路地?」 桂は訝しんだ。そこは、人一人がやっと通れるくらいの細い道だったからだ。 「ここに看板が出てますから、ここだと思います」 裕美は、道の右下に置いてある看板をしゃがみこんで確認すると言った。 桂は言われるまで気がつかなかったが、路地に置かれたその看板には、確かに「ヒーリングサロン 宙(かなた)」と書いてあった。 ■
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by yumiyumi0325
| 2010-08-26 01:03
| 宇宙叙事詩
2010年 08月 17日
『もう少し、色々とやってみるといいかもしれませんね』
篠崎は桂を気遣ってか、そうチャットに書いてきた。 『もう少し、色々…ですか』 『うん、過去世退行催眠とか、ヒーリングとか…そういえば、桂さんのエネルギーを読んで、パワーストーンブレスを作りましたから航空便で送ります』 「ありがとうございます!おいくらですか?振り込みますので口座を後で教えてください』 『いえ、いいんです。僕が勝手にやったことですから』 『でも…』 『本当に気にしないでください。それから、12月にミネラルショーがあるので日本に行きます。もしお時間ありましたら会って頂けませんか?』 『もちろんです、時間を作ります』 桂は嬉しかった。篠崎が桂のエネルギーを読んでどんなパワーストーンを作ってくれたのか…それも気になるし、何より約3ヶ月ぶりに篠崎に会えるかもしれないことが嬉しかった。 篠崎がアメリカに帰って1ヶ月。週に一度、篠崎とチャットするのは本当に楽しみだった。今日は他愛のない会話だが、いつもはディープなことに話題が及ぶこともある。大体は篠崎の体験談、親との確執、トラウマについてなどだが、篠崎が心を開いて自分のことを話してくれるおかげで、桂も自分の中の小さなわだかまりを少しずつ話せるようになっていた。それは、今の家族のことでもあるし、亡くなった父のことや決して仲の良くない妹のことでもあった。 『おっと、そろそろ出かけないと…今日はこれからセドナに行ってきます』 『セドナ,ですか?』 『アメリカのパワースポットです。メールに写真を貼付して送りますね。とてもいい所ですよ』 『私もネットで調べておきますね』 『ええ、ではまた』 『はい、いってらっしゃい』 篠崎はスカイプを離れた。桂は時計を見る。夜中を少し回った所だった。 パソコンの電源を切り、ガスと戸締まりを点検し、ベッドルームに行くと、ちょうど修二が起きたところだった。 「…最近、週末は結構夜更かしするんだね」 修二は、寝ぼけ眼で桂に話しかけた」 「色々、調べたいことがあって…」 「ふぅん…」 思いがけず修二が起きていたことで、桂はなんとなくばつの悪い思いをしていた。 夫の知らない、そして自分が気を惹かれている男性と毎週チャットしている…その事実が、どうも後ろめたい気にさせるのだ。 裏切ってるわけじゃない。篠崎さんは、私が知りたいことを知るサポートをしてくれている。 夫にはそれができない。意識喪失のことだって、今まで相談したことがないのだ。いや、意識喪失が出始めた頃に一度だけいったことがある。だが、「病院に行って検査してもらいなさい」といわれただけで、その後も「どうだった?」とも聞かれていない… 夫は、優しいけれども桂に関心がないのだ。桂が何をしているのか、ということにあまり興味を持たないから、桂も週末を自由に過ごせるのだが… 桂は「おやすみなさい」というと、ベッドに潜り込んだ。 修二の手が自然に伸びて、桂を後ろから抱きしめる。 いつもの眠り方だが、今夜は違う。修二に抱きしめられながら、桂は太平洋を越えたところにいる篠崎のことを考えていた。 ■
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by yumiyumi0325
| 2010-08-17 00:48
| 宇宙叙事詩
2010年 08月 11日
『桂さん、その後変わりはないですか?』
『はい、先週からは特に何もないですね』 篠崎はいつの間にか桂のことを「高木さん」ではなく、「桂さん」と呼ぶようになっていた。 名前で話しかけられるたびに、それがチャットであっても桂は嬉しく感じていたし、いつもの時間…日本時間で土曜日の午後10時以降になると、必ずスカイプにログインして篠崎のログインを待つようにもなっていた。 『では、トリップもここ一ヶ月ほどないですね』 『はい、落ち着いています』 篠崎は、桂が現実世界を離れてあちこちに行くことを「トリップ」と呼んだ。果たして、それがあっているのかどうか桂にもよくわからないが、なんとなくそういう名称で呼ぶと症状を把握できるような感じがあった。 『そうですか…良かった』 篠崎とのチャットは夫には秘密だった。しかし、夫の修二はここ数ヶ月、職場での昇級試験の為に週末の夜は早々に寝て早朝に勉強する、というやり方をしているので隠すのは容易だった。おそらくこの時間はすでに夢の中だろう。 『篠崎さん…実はご相談があるんです』 『なんですか?』 桂は、ずっと告げようかどうしようか迷っていたことを、今、相談しようと心に決めた。 それは、篠崎と初めて会った日に、トリップが起きて…人間の姿形なのに人間でない存在が目がくらむほど眩しい光を桂に向けようとした後から起きた変化だった。だが、それはあまりにも普通じゃないことに思え、誰かに相談することさえもはばかられたのだ。 『実は…』 『ちょっと待って。結界を張ります』 『は?』 篠崎を好ましい相手として信頼しているが、時々こういうことを言い出すのが桂にはまだ理解出来かねる部分だった。結界?張る、とはどういうことなのだろう? 『…済みました。もう大丈夫です』 『あの…どういうことでしょうか?』 『ネット上には、様々な存在が情報を仕入れようと網を巡らせているんです』 『はい』 『なので…僕たちの会話がキャッチされないように結界を張りました。もう安全です』 『はぁ…まぁ、聞かれて困る話ではないんですが』 『そうですか。でも安全の為に張っておいた方がいいです。ネットは侵入されやすいので』 まるでコンピュータウィルスのことを言っているようだ、と桂は思った。だが、篠崎が言っているのはきっともっと違う意味なのだ。桂のまだ、計り知れない世界を彼はすでに知り、経験している。 『ずっと相談しようかどうしようか迷ったんですが…手から光が出るんです』 『え?』 『おかしいと思わないでいただきたいんですが…目に見える光とは違うんですが,動物や植物に触れると、手から白い光が出るような気がして…』 『…なるほど…』 『それで、ですね…友達が飼っていた猫が、もう瀕死だったんですが…』 『はい』 『私が手をしばらく当てたら、元気になったんです』 『すごい!』 『友達からは、お医者様からはもう駄目でしょう、と言われてたのに、と言われて、友達もすごく喜んでくれたんです』 『すごいですね!』 『でも、結局一週間後には亡くなってしまって…』 『そうでしたか…』 『私、何かできるかな、と思ったんですけどやっぱり駄目ですね…』 『いや、そんなことはないですよ』 『でも、結局救えなかった』 『いや、桂さん。その猫は寿命だったのではないですか?』 『…あ、そうですね。そういえばもう結構な年だった、って言ってました』 『桂さんは、癒しの手の持ち主なんですね』 『は?』 『手から光…癒しの光を出す人をそう言います。ラファエルの使徒、とかね』 『はぁ…』 ■
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by yumiyumi0325
| 2010-08-11 23:53
| 宇宙叙事詩
2010年 08月 03日
『今、大丈夫ですか?』
スカイプに篠崎からのチャットが入ってきた。 『はい、大丈夫です』 桂はすぐに返事を返した。 アメリカに帰った篠崎と、週に一度、チャットで色々なことを話すようになったのは、裕美のセッションルームで初めて篠崎と会ってから2ヶ月ほどしてからだった。 あの日、帰り際に全員の連絡先を渡され(特に裕美からはいつでもサポートします、夜中でも連絡ください、と念押しされた)、なんとなく定期的に連絡を取るようになった。 しかしそれも、夫の修二に怪しく思われない範囲を心がけていたので、裕美のセッションルームに足を向けるのは1-2週間に一度くらい、後はメールでのやりとりだった。 そんなときに、篠崎からアメリカにクリスタルの買い付けのために帰ることを告げられ、桂は動揺した。年末にまたミネラルショウに出展する為に日本に戻ります、と篠崎は言ったが、桂はなんとなく淋しさを感じていた。 裕美のセッションルームで4人で会い、自分の話を受け入れてもらえただけでなく、彼がクリスタルからもらった情報と酷似した内容を自分が話していた…ということで、桂は篠崎に親近感を持っていたし、何より一目会ったときに感じた、いいようのない懐かしさのような感覚…初めて会うのに「知ってる」と直観し、「やっと会えた」と思っている自分にも驚いていた。 また、篠崎の男性ならではの理性的な話し方、チャネリングの進め方、冷静さに桂は惹かれていた。 この人なら、私が何のために現実から乖離する体験を重ねているか解明出来るかもしれない…そう思い、頼りにしていたのだ。 ■
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by yumiyumi0325
| 2010-08-03 16:23
| 宇宙叙事詩
2010年 08月 02日
「今あるものに平和や幸せを感じることもとても大切です。今手にしていることを見出せずに、別のものを見出すことは不可能なのです。それはリンゴを構成するあらゆる要素から、ひとつの要素を見つけることに似ています。ある方にとってそれは、表面の皮であるかもしれず、瑞々しい果肉かもしれず、またある方にとっては、種なのかもしれません。いずれにしろ、あることを信じる、あって当たり前なのだ、という感覚を持ち続けることが必要でしょう。」
「ちょっといいですか?」横から裕美が口を挟んだ。 「今あるものに幸せを感じつつも、高木さんの場合は上辺の幸せ、ということなんですよね?上辺の幸せでもそれは幸せなんですか?」 「はい、魂が目覚めたときに、それは探していたものではなかった、と気づくでしょうが、目覚める前までは幸せだ、と思えています。魂が感じる幸せと比べたら格段の差ではありますが、「何がご自身にとって幸せか」ということを日常的に感じ続けることは大事です」 「…」 「そして、幸せは瞬発力であり、流動的です。昨日と同じものごとが同じように幸せを感じる要素になるとは限りません。なぜなら、毎日が、毎秒が、ひとつとして同じものがないからです。」 「そうすると…高木さんにとっては、今の日常を大切にしながら魂の扉を開いて行く、ということですね」 新庄が言葉をひとつひとつ吟味するように言った。 「そうです。今、彼女はまだ魂の道を知らない。それ故に、今進んでいる道を幸せだと思い、違う道に進むことを怖れています。しかし、それは知らないからです。誰だって、知らない道を進むのは怖いでしょう。でも地図とコンパスがあり、目的地がはっきりしていれば、そしてなぜその道を進むのかがわかれば、怖れることななくなるでしょう」 「…なるほど…」 篠崎が顎に手を当てて、納得したようにつぶやいた。 桂は一人、頭の奥のほうで叫んでいた。ちょっと待って!張本人の私を置いて、勝手に話を進めないで!!…と。 しかし、篠崎、裕美、新庄の3人は、まるで申し合わせたように桂のほうを向き、桂の口を借りているシリウスの桂に対してこう言った。 「楽しい、と思う気持ちがある限り、高木さんを全力でサポートします」…と。 ■
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by yumiyumi0325
| 2010-08-02 15:55
| 宇宙叙事詩
2010年 08月 02日
「この方とチームを組んでください。そして、より多くの方々に伝えて頂きたいのです。この方を通じて、私達はあなたがたが日常の中で何に留意すれば魂の本質に迫って行けるかをお伝えします。どうぞ、それをより多くの方々にお伝えください」
「…わかりました。チーム、ということは…ここにいる4人で、ということですか?」 「4人だけではないでしょう。おそらく、より多くの方を巻き込んで行くことになると思います。が、核となるのは今、ここにいらっしゃるあなたがたになります。しかしそれも流動的です。私達は強制することはできません。すべてあなたがたの自由意志によるのです。もしもあなたがたが、義務としてチームを組んだらこのプロジェクトは成功しないでしょう」 「それはどういう意味ですか?」 「お一人お一人が心の底から「手伝いたい」「広めたい」という意思を持って行動したときに、道が現れるのです。「こういわれたから仕方がない」というお気持ちで手伝われると、そのような波動が何に対しても出てしまい、「仕方がない」と思ってしまうような状況を引き寄せます。ですから、私達は、あなたがたが純粋にこのプロジェクトを面白い、人生が変わる、楽しい、と思えるようになったら手伝って頂きたいのです」 「…しかし、高木さんは、一番重要な存在であるはずの高木さんが現在の状況に対して不安を持っています。彼女は今、この状態では「楽しむ」ということができないのでは…と思うのですが」 「そうですね。この方は、「うわべの幸せ」を失うことを怖れています」 うわべの幸せ?自分の口から出た言葉だというのに、桂はどういう意味かわからなかった。私は今幸せなのに…どれが上辺だけの幸せだといいたいの? 「魂の道を進むことに対して、いばらの道を想像する方があまりに多すぎます。それは権力者によるコントロールである、と私達は断言しましょう。魂の道を進むことは心から楽しく、うきうきわくわくすることなのです」 「では、高木さんを魂の道に対して心を開いてもらうところから始めないといけない…ということですね」 「そうです。魂の道を歩くとき、今まで慣れ親しんだ世界とは全く違う世界になることも多々あります。しかし、魂はそれに対して歓喜を感じているのです。それを正しく知ること…アンテナを磨くことが必要です」 「その為に、私達に何ができますか?」 「あなたがたの経験から、魂の道を歩むことの意味をこの方に教えて差し上げてください」 自分の中にある違う意識が話す内容に、桂は恐れを感じた。魂の道を歩くときに全く違う世界になる?それでは夫は?最愛の息子はどうなるのだろう?今mでのキャリアは? それまで大事にしてきたもの全てと離れることになるのだろうか?それで喜びを感じるなんて、私には到底できない。無理だ。 なぜなら今までのままでいいから…一児の母として、貞淑な妻として、一社会人として…ささやかながら愛のある生活を送ってきたのだ。毎日の中に小さな幸せをやりがいを見つけ、こつこつと地味に日々を重ね、キャリアを重ね…それらの日々から切り離される? そんなことは桂にとっては地獄だった。魂の道を歩む喜びなど、感じようもなかった。今ある幸せを手放すくらいなら、魂の道など無視しても構わない…頭の奥のほうで、「今」を生きている桂はそう思った。しかし、もう1人の、シリウスにいる桂はそうではなかったようだ。 ■
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by yumiyumi0325
| 2010-08-02 14:35
| 宇宙叙事詩
2010年 07月 21日
その場にいた誰もが一瞬言葉を失った。それを感知して、桂は頭の奥のほうで自暴自棄になった。ほら、やっぱり。荒唐無稽すぎる。まるでSF小説の読み過ぎのような話なのだ。だが、桂の口は再び動き始めた。
「私達は何度か、あなたがた地球人の遺伝子操作に関わっています。私達シリウス人だけでなく、他の星のものたちもあなたがたの遺伝子を操作したことがあります」 「…それはつまり、私達は実験体、ということですか?」 篠崎の声が震えていた。内容を真摯に捉え、ただ真実を知りたいだけのようだった。 「実験体、といえば実験体とも言えますが、私達は愛を持って、あなたがたを現在の形へと導いたのです」 「それはなぜ、ですか?」新庄の声も震え、そして質問する声は小さかった。 桂は、自己以外の意識が沈黙するのを感じた。少し考えているようにも思えたのだ。 そして、その次に口を開いたときに、桂は自分でも驚くようなことを口にしていた。 「3次元の世界を神の世界へと還すためです。そのために、3次元の体をライトボディとしてゼロ磁場に耐えられるように作り替える必要がありました」 「…」 「これ以上は説明を理解できないと思いますし、もう少し時間が必要です。また、神の概念について、あなたがた日本人はとても受容的で柔軟に考えられるかと思いますが、まだ地球にはそうでない社会が多い…本題に戻りましょう。私は、この方を通じてあなたがたにこの方の手助けをしていただきたいのです」 「はぁ…例えば、どんなことをすればいいのでしょうか?」 真っ先に冷静になった篠崎が話を進めた。新庄と裕美は、さきほどの桂の発言について小さな声で興奮気味に話し合っている。 「この方は、シリウスの使者としてこの地球に何千年も滞在し、進化を見守り続けたスピリットです。ですが、それを自分では知らないのです。どうぞこの方が伝える内容を、より多くの方に伝えるための手助けをしていただきたいのです」 「はい、具体的には何をすればいいのでしょうか?」 「…」 桂は少しの間黙った。そしてまた、頭の奥のほうで自己がつぶやく。一体何をしゃべっているの?私に何をしろというの? しかし、もう1人の桂…シリウスと繋がっている自己は何をすべきかすべて知っているようだった。 ■
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by yumiyumi0325
| 2010-07-21 23:17
| 宇宙叙事詩
2010年 07月 11日
「シリウスでの生活は、至福そのものでした」
桂は夢見るような口調になり始めた。 その姿を見て、新庄が裕美に「チャネリング状態に入ったかも」とひそひそ声で言った。 「まさか…こんなに早くチャネリングに入る人、見たことありませんよ?」裕美もひそひそ声で返す。桂は構わずに続けた。 「いる存在がすべて、個別に別れている…私達のように、個体として存在しているのに、意識は共有しあっているのです。それはプライベートを共有、というのとは少し違う…大まかな部分もデリケートな部分も含めて「感情」を共有しあっているんです。そしてそれを常にコントロールする神官がいます」 桂は、いつの間にか目をつぶって少し体を揺らしながらしゃべっていた。 「それはまるでいるかのような感じです。いるかはとても高次元の、霊性の高い生き物だということは皆様ご存知だと思いますが…そして、神官たちは、みなの共有する感情がぶれすぎないようにコントロールします。このコントロールをどうやっているかはよくわかりません」 「私は、神殿のような場所にいます。そこはとても静かで、でも時々かすかにとても美しいメロディーが聞こえてきます。私は金色の髪、白い肌、白い服を着ています。服、というよりもゆったりとした布を纏っている感じです。そこには,私のツインソウルもいます」 桂は、あの至福の時間を思い出したかのように、微笑んだ。 「ツインソウルは私と同じような姿形をしています。唯一違うのは性です。でも、厳密に地球人のように男性と女性が別れてはいません。シリウスでは、意思によって性を変えることができるのです。そのときの私は女性っぽかった。そしてツインソウルは男性ぽかった…」 「私達はいつも一緒だった。いつも、シリウスのピンクの空を見上げ、幾つもの月を見上げ、美しメロディを口ずさみ、そして…癒しを必要としている人たちに癒しを与えていました」 桂は大きくため息をついた。頭の遥か後ろの方で「何を言っているの?それが正気な人の話す内容?」と突っ込みを入れている自分を感じたのだ。だが、話すのを止める気はなかった。シリウスで過ごしたあの至福の時間を、少しでもわかってほしかったのだ。 「不思議な話ですが、癒しを求めている人たちが必ず私達の住まいにやってくる。私は、そこでは巫女のような役割をしていたのかもしれません。私と彼は、ただ彼らに手を差し伸べるだけなのです。すると、彼らの内側や外側で変化が起こります。それは色でわかります」 そう、それはまるでピアノを調律するかのように変化が起こるのだ。そして相対する人たちの心が変化して行くのが、色としても見て取れるのだ。 「心に不調がある人は、色が濁ります。これは地球上の生物と一緒ですね。人間だけに限らず、植物も動物も昆虫も…地球上の有機物全てにオーラがあり、不調があるとオーラが濁るのと同じです」 「私達が手を差し伸べると、自然に調律がなされるのです。私とツインソウルがやっていたのは、不調を訴える方々の治癒でした」 「…他には、何かされていましたか?ツインソウル以外に親しい人とかいましたか?」 篠崎が質問する。桂は,一瞬考えてまた話し始めた」 「他には特に何もしていませんでした。時々、シリウス中の人たちにある歓喜の思いが伝わります。それはおもに、生命の誕生と死の瞬間に起こりました。あらたな生命の誕生と、新たなサイクルに入った魂を感じたときに、シリウス全体が歓喜の思いにあふれるのです。生まれてきた魂を歓迎し、去りゆく魂を祝うのです。」 シリウスは決して人口は多くありません。人口…というか、存在の個体数、ですね。今はあなたがたにわかりやすいように地球になぞらえて説明してますが、根本的にシリウスと地球では生命の形態がまったく異なります。3次元の知識でシリウスや、他の惑星の生命形態を理解しようとするのは無意味です」 「ツインソウル以外に親しい相手、というのは特にはいません。神官は定期的に私達のところにやってきます。そして様々なことを確認して行きます。天体の動き、シリウスの航路、地球人との接触状況など…」 「地球人との接触?」裕美が小さな声で、驚きを隠せずにつぶやいた。 「そうです、シリウスは長いこと地球と関わってきましたから」 「それはなぜ、ですか?」篠崎の声がやや緊張気味になった。 桂は、自分以外の誰かが桂の口を借りてしゃべっているのを感じていた。それはまさしく、シリウスにいる「自分」なのだ。 「人工ヒューマノイドがどこまで進化出来るか…それを私達は見守りつづけているのです」 ■
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by yumiyumi0325
| 2010-07-11 01:15
| 宇宙叙事詩
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